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バスケの試合 [記事]

 高3になって、学校のバスケ部に入ることになりました。
 バスケ部は養護学校唯一の部活動です。
 中学部から参加できるのですが、バスケなんてとてもとても、と母は思い込んでいました。
それに、高等部からは寄宿生活も始まったので、そちらの方が忙しいだろうと躊躇して
しまっていました。
 しかし、今年は4月に案内が来た時に、何気なく聞いてみました。
 「バスケの部活やる?」
すると、こうき、
 「やります。バスケ、やってみたい。バスケの練習、する!」
と途端にやる気満々の様子。
 寄宿舎に入っていても、夕方の練習には参加できると聞き、とりあえず体験だけさせて
みることにしました。
 練習は、火曜日と水曜日の週二回、放課後5時まで2時間ほど。とにかく本人張り切って
やっているようで、体験からいつの間にか毎週の練習に参加するようになりました。
 平日は寄宿舎生活なので、バスケの練習の様子は全く分からず、時々「バスケの練習どう?」
と聞くと、
 「練習がんばりました!」と得意げな様子。
 「バスケ、むずかしくない?ちゃんとやってる?」の問いにも、
 「ちゃんとやってる!シュート、がんばってます!」の答え。
 一度見に行きたいと思いつつ、なかなかその機会が持てずに夏休みに入ってしまいました。

 夏休みには、養護学校同士のバスケの交流大会があり、こうきも試合に出たいと言い始め
ました。本人の熱意に押され、参加の希望を出してしまったのですが、それでも心配になって、
夏休みの練習を送迎がてら見に行くことに。
 練習を見て驚きました。
 レベルが高い・・・。この学校に通っている生徒と思えないくらい、動きがよく、技術も高いの
です。背が高くしっかりした体格の彼らがプレイしている姿は、普通高の生徒となんら変わりが
ありません。その一番上手いグループの子たちは、チャンピョンシップAチームとして出場する
ようで、バスケ経験者と見られる先生方が本気になって練習相手になっていました。
 一方、こうきはというと、予想はしていましたが、ボールを受け取るのもやっと、といった感じの
動きでした。
 それでも、シュート練習となるとみんなの列に並んで、順番が来るとドリブルは(できないので)
せずにゴール下まで歩き、シュート。打ったボールは大きすぎたり、小さすぎたり。力を加減して
ゴールに入れるというのは、とても難しいことのようでした。
 こうきのような感じの子は他におらず、見ている方はこれで大丈夫なのか、と思ってしまったの
ですが、本人はいたってマイペース。
 みんなと一緒に練習できるのが嬉しくて仕方ない、というように一生懸命なのでした。

 試合当日、母は仕事を休み、見にいくことにしました。こうきの出るスポーツの試合を見る
なんて機会はそうないだろうと思ったからです。
 こうきは、チャンピョンシップよりは少しスピードがゆっくりの、フレンドシップBチームに入れて
もらって試合に出ることになっていました。とはいえ、他の4人のメンバーはこうきとは比べもの
にならないくらい、しっかりと「バスケして」います。
 こうきは、最初から自分方のゴール下に立っていました。見方からパスを受けて、そのまま
シュートするという役割です。
 母は、同じチームの子のお母さんと一緒に観戦。フレンドシップチームとはいえ、なかなか
白熱した試合で、自然と応援にも熱が入ります。どの子もしっかり動き回ってボールを取りに
行き、奪えばドリブルでどんどんゴールに攻め入っていきます。
 なかなか激しい試合の中で、ゴール下に立っているこうきに、ボールが渡ることは難しいよう
でした。でも、先生から教えてもらっているのか、見方がボールを持つと、ゴール前で両手を
挙げてぴょんぴょん。
 一応ここにいるぞ、アピールです。
 その姿に、「お、なかなかいいじゃない」と思ってしまったのは、親だけでしょうか。
 一緒に観戦していたお母さんのお子さんの活躍もあって次々に点数が入り、チームに少し
余裕が出てきました。そんな中、自分でドリブルしてシュートを決められそうな場面でも、
ゴール下のこうきにボールをパスしてくれる、優しいチームメートたちの姿がありました。
 こうきはなんとかそれを受けて、シュート。
 ただ、ボールは大きくそれて、何回かのチャンスを決めることはできませんでした。

 結局、チームは一勝二敗。
 先生方は真剣なアドバイスを送り、それを聞く生徒たちの姿も真剣。真夏の体育館はとても
暑く、汗を拭き拭き、たくさん水分を摂りながらの試合でした。
 そして、表彰式では、学校ごと思い切り力を出し合った仲間たちの輪がたくさんありました。
 どんな形であっても、みんなと同じように試合に出て、そんな輪に加われたことが、こうきに
とって本当に嬉しかったようです。
 部活動で一緒に練習させてもらい試合にも出させてもらった。そんな機会を与えてくれた
先生方や仲間に感謝、の一日でした。
 「次の試合も出ます!」
 こうき、大会が終わるなりの宣言です。やる気だけはあります。
 だけど、また出ても大丈夫なのかな・・・?


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