SSブログ

初スーツ [記事]

 いよいよ、養護学校も卒業間近となりました。
 卒業式に、何を着るんだろうか、と考えたとき、さて、どうしようか。
今まで何度か、卒業する先輩たちを見てきました。男子はスーツ、
女子もスーツや袴姿で、みな見違えるように立派でした。
 それを考えると、中学部の卒業式のように、お兄ちゃんの制服で間に
合わせる、というわけにはいきません。
 やっぱり、スーツか。
 ただ、新しくスーツを買っても、果たしてどれだけ着る機会があるだ
ろうか。冠婚葬祭や、成人の祝いには着るかもしれないが、就活は必要
ないし、仕事で着ることもきっとないだろう・・・などと考えると、
家にあるお兄ちゃんのスーツを借りてもいいような気になります。
 それでも・・・。
 やっぱり一着は買ってあげよう。
 あまり着ないとしても、これは大人になったお祝いとして。
 お正月に、一緒に買いに行くことにしました。

 デパートでスーツを試着した時。
 いつも、トレーナーや腰がゴムのズボンを履いているので、まず
着方がわからない。自分でシャツのボタンをはめられないし、ズボン
のホックが留められない。なんとかこちらが手伝って着せてみても、
こうきは堅苦しいスーツの着心地に、体がくねくね。
 裾の長さや腰回りを店の人が見てくれるというのに、早く脱ぎたくて
たまらない様子です。
 「きちんと立たないと、卒業式に着る服はないよ」
 「社会人になれないよ」
脅しの言葉に、
 「はいっ、ちゃんと立ちます!」
 急に直立不動になって、そのままじりじりと我慢です。裾の長さを決め、
腰回りも詰めてもらうことにして、ようやく終了。
 「卒業式に、かっこいいの服、着ます」
 後で本人も、まんざらでもない様子で言うのでした。

 そういえば、18歳になった昨年。選挙権のお知らせと、自衛隊入隊の
勧誘はがきが届いて、とても不思議な感じがしたんだっけ。
 こうきにとってはたぶん、あまり関係のないお知らせだったのかもしれ
ないけれど、この子も18になったんだ。
 まだまだ子どもみたいに思っていたけれど、年齢的にはもう大人に近づい
たんだなあ、としみじみ感じたのでした。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:育児

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。