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言ってはいけない [記事]

 時々イライラしてしまうことがあります。
 希望が叶えられないとき。
 難しいことをやらなければならないとき。
 自分の行動について注意されてしまったとき。
 そんなときに、あまりよくない言葉、外でおおっぴらに言ってはいけないような
言葉を言うことが、中学部後半から出てきました。
 どこでそんな言葉を覚えてきたんだろう、と初めは思いましたが、本人はあまり
悪気はなく、深い意味もなく、それが口癖になってしまっているような感じでした。
 「バカ」のような、ののしり言葉と同じようなニュアンスで使っていたのかもしれま
せん。それを言うと、まわりが眉をひそめる。そんな反応を試すようなところもあ
りました。
 ただ、それは女性が聞いたら「引いてしまう」たぐいの言葉だったので、どうしたら
よいか、ずっと気になってはいました。(実際、妹からは完全に嫌がられていました。)

 先日、公園を散歩しようとしていたとき。
 まわりに人がたくさんいる中で、その言葉を言ってしまいました。それも、いつもの
よく響く声で。
 その瞬間、恥ずかしさとともに、怒りがこみ上げました。
 それは、こうきの質問に私がちゃんと答えなかった、自分の意思を汲んでもらえな
かった、というイライラから出たものだとわかりました。しかし、咄嗟にこれを言ってい
たらだめだ。この先この子のためにはならない、と感じました。
 「それ言ったら、もう公園には来ないよ、」
あえて怒りをあらわにして、公園内を歩き続けました。
 ずいぶん歩いたあと、ベンチのあるところまで来ると、こうきを座らせメモ帳を取り
出しました。
 さっきこうきが言った言葉を書き、大きく×を書きました。
 そして、「ぜったいに、いわない。はずかしい」とも書きました。
 「うち」
 「がっこう」
 「きしゅく」
 「そと」
 「しごと」
全部に大きく×を書きました。

 それから、もうひとつ気になっていた言葉。
 「みんな、しぬ」
 「ごにん、しぬ」
 「○○が、しぬ」
も×、と書きました。
 お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが亡くなり、死というものを身近に感じるようになった
こうき。
 「おにいちゃは、なんさいまで生きますか」
 「おかあさんは、100さいまで生きますか」
 「こうきくんは、900さいまで生きます!」
などと、繰り返し言ってきたり、
 「おかあさん、しんだら、こうきくんひとりぼっちですか」
 「みんなしんだら、このうち、ひとり住んでもいいですか」
とあからさまに言ってしまったりする。
 「じしんきたら、みんなしんじゃいますか」
というのを口癖のように外で言っていたこともありました。
 それは、こうき独特の直球でユーモラスな表現だと思って、そのままにしてきました。
先のことがとても気になって、確認したくなるのもよくわかる。
ですが、言われた方は、やはりいい気持はしません。
これも、封印することにしました。
 ちょっとかわいそうですが、
 「このことば、いったら、こうえん ×
               おでかけ ×」
と書きました。
 出かけるのが大好きなこうき、あわてて、「もう、いいません!いわない!いわない!」
必死で約束をしていました。
 
 あれから、一度もこれらのことばを聞いていません。
 本人は、とても素直でまじめなのです。
 もっと早く、いけない言葉だとはっきり示してあげればよかった。
 親の反省です。

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